かけがえのない人に捧げる
撮影所の一角で出会い、ともに歩んだ人生も42年の月日が流れました。
槙坪さんは、若い頃から重いリウマチを患い入退院の繰り返し。でも、いつか自分たちで映画を作ろうと励まし合い、支え合いながら夢を追い求めてきた私たち。 ある日の夜、槙坪さんは青い台本を手にして「これ読んでくれない?」。 それがパオ1作目『子どもたちへ』のスタートでした。
映画は命
と語り、生きる証しとして7本の映画に情熱を注ぎ込み、どんな苦境に立たされても決して諦めることなく、ひたすら前だけを向き歩み続ける姿に、「なんて意志の強い人だろう」と感服することが多々ありました。
今でも、出会いから見送るまでの1コマ1コマが、長編ドラマの如く浮かんで見えます。
槙坪さんは、私に人生の意義を教えてくれた“かけがえのない人”でした。 映画『少女の夢』は、槙坪さんへの感謝の気持ちと愛しい妻へのレクイエム、そして、これからも「ともに生きる」証しであるのです。