星の国から孫ふたり〜「自閉症」児の贈りもの〜

自閉症って不思議がいっぱい

ものがたり

作家の太田弓子(馬渕晴子)はバークレーから帰国した娘の陽子(加藤忍)、その夫の敏夫(比留間由哲)、3歳になる孫のかおると久しぶりに再会した。 だが、かおるは、まだおむつも取れず、「プーラペン……デュワイン!」とまるで宇宙語のような言葉を発し、医者に診てもらうと「自閉症の疑いがある」との診断。 仕事人間の夫・敏夫は「子育てに問題があるのでは」と陽子を責める。 一方、弓子は「自閉症って不思議がいっぱい」と前向きに日々のかおるの成長を見守る……。

プーラペン、プーラペン、ウィウィウィ!

バークレーから、発達障がいの専門家・村井ひとみ(乾貴美子)が訪れ、「アメリカでの積極的な自閉症(オーティズム)への早期発見、早期療育の取り組みは人々が勝ち取ってきた」と語る。 弓子の息子・拓也は、ひとみとスカイプで交信しながら発達障がいの専門家になる勉強を始める。 そんな時、妹のらんも自閉症だと認定されてしまう。

再びゆれる家族。 らんは、幼稚園に、かおるは小学校の特別支援学級に入学する。 かおるはそこで母をなくし心を閉ざしたマリアと出会う。 「自分本位と言われている自閉症のかおるがマリアを想って泣いた!」かおるの初恋だと喜ぶ陽子達。 みんなに、もっと、かおるとらんのこと、自閉症について知ってもらおうと弓子達は地域の人たちへ支援の輪を広げるために街へ出る……。

大きい声に耳を塞いで泣くかおる 商店街で星の子通信を配る陽子達 自閉症児家族に寄り添う園長先生

支援・応援のため映画化

企画にあたって

発達障がいについての新聞記事を読んだりテレビやインターネットを通じて情報を集めているさ中、上映会で出会ったある自閉症の子を持つ親御さんの「世間の目が冷たい、生きていくのがつらい」という訴えに心を動かされました。 そして原作者からの情報提供にも触れ、さらに理解を深めていくことで映画『星の国から孫ふたり』の企画が固まっていきました。

自分の障がいを知ることも難しく、自分の障がいを伝えることも難しい子どもたち。 子育てに苦悩する親達に対する、世間の無関心と冷たい視線。彼らを取り巻く現状を知れば知るほど、「何とかしなくては」と痛切に感じた槙坪夛鶴子監督。 そして企画制作パオは、多くの人に「自閉症」への理解を深めてもらう為に「自閉症」児と彼らの親たちへの支援・応援となるように、映画化に踏み切ったのです。

より多くの人たちにオーティズムへの理解を

早期発見・早期療育

自閉症について、より多くの人々に理解してもらうことを目的とする「世界自閉症啓発デー(World Autism Awareness Day)」が4月2日に定められていることを知っていますか。 平成19年12月18日の国連総会において決議され、世界の約350万人の自閉症の子どもにとって、早期診断と早期治療が重要であるとし、平成20年(2008年)第一回目から毎年、世界各地で様々な啓発の取り組みが続けられています。 日本でも世界自閉症啓発デー・日本実行委員会が組織され、自閉症をはじめとする発達障がいについて、広く啓発する活動を行うことになっています。

かおるとマリアが心を通わす

日本では「発達障がい者支援法」が平成17年4月1日施行されました。

発達障がい者支援法(平成16年12月10日法律第167号)は、自閉症・アスペルガー症候群その他の広汎性発達障がい、学習障がい、注意欠陥・多動性障がいなどの発達障がいを持つ者の援助等について定めた全25条の法律で、発達障がい者の生活全般にわたる支援を図り、発達障がいを早期に発見し、発達支援を行われるよう、国や地方公共団体の責務を明らかにするとともに、学校教育における発達障がい者への支援、発達障がい者の就労の支援、発達障がい者支援センターの指定等について定めています。


予告篇動画を掲載

追記:

映画『老親ろうしん』のHDリマスター盤の予告篇動画を老親作品紹介ページに掲載いたしました。

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