自閉症を取り巻く環境と将来の展望
自閉症は親の愛情が足りないからなる
という考え方は医学的には否定されている。
何らかの脳の機能障害があり、これが原因でさまざまな特徴的な症状が生じると推測されている。 かつては、自閉症は知的障害を伴うのが当たり前とされてきたが、現在は知的障害を伴わないものまで幅広くとらえ、広汎性発達障害あるいは自閉症スペクトラム障害と呼ばれる。
自閉症の子どもは一人一人異なる特徴を持っており、集団に合わせた行動を行わせようとすると戸惑いを感じる。 一人一人に合った対応を用意するために、学校では平成19年度から特別支援教育を正式に開始している。 何よりも保護者と学校の連携が必要であり、そのためには学校全体として対応が必要となるが、現場では戸惑いも多い。
早期の気付きと見立てのために、3歳児検診の充実とフォローアップ、5歳児検診の導入などがはかられている。 幼稚園の先生や保育所の保健士による気付きや専門性ある職員の巡回訪問なども考慮されている。 無理に診断をしなくても、早い段階で特徴に気付いて何らかの対応をとることが重要である。