ボク、生まれてこなければよかった
ものがたり
新城亜美(7歳)は東京の小学校2年生。 共働きの両親と小学校4年生の兄紘に囲まれのびのび育った活発な女の子。 学校では「なぜパンツを履くのか」など性の話も始まっている。 そんなある日、学校から帰ってきた亜美は言い争う両親の声を聞いてしまう。 海外出張中にエイズウィルスに感染したことを告げる父譲二。 そのことを理解できずに苦しむ母朋子。 話し合った末に譲二は家を出ていく。 その日を堺に亜美は心を閉ざし、学校にも行けなくなってしまう。
心配した朋子は山形の実家へ亜美を預けることにし、妹里子が東京まで亜美を迎えにくる。 山形の自然の中で寝たきりの曾祖父秀雄やその家族との交流を通して、亜美は次第に心を開いていく。 一方保健所では里子たち保健婦が中心となり、木島知草さんの人形劇を通して「エイズに対する差別と偏見をなくしエイズとともに生きる社会をめざして」の講演会が開かれる。 山形の生活にもようやくとけ込んだ亜美の元に譲二からの手紙が届く。
どれだけ君を愛し子どもたちを愛しているか、そして、どれだけ沢山の人たちに支えられて生きてきたか……
家を出た譲二は、故郷沖縄で焼き物をしながら祖母かつと暮らしている。 それを知った亜美は沖縄へ。 父と一緒にニライカナイ(神々の国)を探しながらも寂しげな亜美の前に、母親の朋子と兄の紘が現れる……。