わたしがSuKi

子どもたちの心に寄り添う教育者たち

いい子を演じる少年少女たち

ものがたり

「警察だ。あんた援助交際してるな?」と中年男性に声をかけられ逃げる高校二年生の亜紀。親に連絡されたら…とおびえる彼女は仲間の弘美とともに養護教諭の神崎に助けを求める。親だけには絶対知られたくないという二人に、神崎は寄り添いながら向き合っていく。

わたしがSuKi-おびえる亜紀

亜紀さん、素敵よ。もっと自信もっていいよ

亜紀と弘美の担任である木村は、亜紀たちにそう言葉をかける。そして生活指導部の教師と力をあわせ、生徒を守るために動き出す。次々と立ちはだかる様々な問題を前に正面からぶつかる教師と生徒たち。そんな最中、かつて援助交際をしていた卒業生理恵が神崎の前にあらわれる……。

子どもたちは色々な問題を抱えていた。覚せい剤に溺れる順子。彼女を心配しながら、自ら孤独に傷ついている、みのり。HIV感染に苦悩する英樹。彼への気持ちに自信が持てない亜紀。心の居場所を求めて揺れる、親と子どもたちの心に寄り添う教育者たちを描く。

自分を愛せるようになってほしい

企画にあたって

映画『わたしがSuKi』は実話を基に製作しました。

家にも学校にも居場所のない淋しさ。お金さえあればという風潮。買春を許容する社会の中で翻弄され、性的無知によってさらにゆり動かされる思春期を過ごす少年、少女たち。高校2年生の3人の少女たちの援助交際発覚をキッカケに、「生徒を見捨てない」と真正面から向き合う養護教諭、担任、生活指導部の先生たちは、一人一人と関わっていく。

援助交際・覚せい剤・HIV・エイズ、性暴力・レイプ、メイクラブについての授業を通して、クラスの生徒たちも、性とは何か、性的自立とは何かを考えていく。自分の性を正しく見つめ、生命の尊さ・大切さを感じとって、「自分らしさ」を取り戻し、「わたしが好き」になって、これからの生き方に、夢と希望がもてる大人になってほしい、という願いでこの映画をつくりました。

パオ代表・映画監督 槙坪夛鶴子まきつぼたづこ

1940年、広島に生まれる。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。映画・TV・教育映画に18年間スクリプターとして参加する。1985年企画制作パオ設立。デビュー作の『子どもたちへ』で文部省特選、第5回監督作品『老親ろうしん』で第17回山路ふみ子映画賞福祉賞、第20回藤本賞特別賞を受賞。

わたしがSuKi-養護教諭、担任、生活指導部の先生

少女たちはなぜ援助交際をするのか?物語は、女子高生3人が援助交際を警察に知られ、養護教諭のもとに助けを求めてくることから始まる。この作品は実話をもとに養護教諭が書いた小冊子「援助交際の少女たち」が原案。女子高生たちを取り巻く現状を真正面から描くこの作品は、「自分が好き」と言える生き方を見つけてほしいという若者へのメッセージであるとともに、大人や親が知るべき事実なのである。全国の中学高校で性教育、人権教育の教材として上映される映画『わたしがSuKi』は、援助交際、性暴力、薬物問題などの難しい問題を、多感な生徒にも分りやすく伝えている。

いま、大人達わたしたちは何をしたらいいのか?

監修者のメッセージ

人間など信用できない、できるのはお金だけ。セックスなんて大したことじゃない

ひとはすべて「時代」の子です。その「時代」をつくったのは大人。

モノがあってこそ幸せ、なければミジメ、ひとの愛なんてウソッパチ、テストの点数で人間の価値がはかられる……そんな「時代」を子どもたちは最も素直に生き、ごまかすのが下手な分だけ受ける傷が深い。映画『わたしがSuKi』は、この素直な子どもたちと、その子どもたちに本気でかかわろうとする大人たちのドラマです。この映画を観て、いま大人は何をしたらいいのか、ともに考えていただきたいと思います。

監修者 村瀬幸浩むらせゆきひろ

一橋、津田塾、早稲田大学講師 "人間と性"教育研究協議会代表幹事 「援助交際の少女たち」著者

援助交際で、お金を受けとる弘美
子ども達を救おうとする教師たち
授業で正しい性知識を教える神崎
援助交際をしていた卒業生の理恵