少女の夢予告篇

モノクロームの美しい映像が、繊細に描き出す心

未来への扉

映画『少女の夢』評論

たづは、広島で生まれた。

それは、後に、世界の人々に認識される「ヒロシマ」ではなく、未だ牧歌的な土地だったろう。

だが、原爆が、総てを変えてしまった。

モノクロームの美しい映像が、たづの素直な心と、現実のギャップを、繊細に描き出す。

映画『少女の夢』は、過去の集大成であり、未来に向かって開かれた扉でもある。

この扉を超えて行くのは、次の世代の表現者たちだろう。それは、かつて、槙坪作品を見て育った、心優しい若者たちかもしれない。

モノクロームだった画面が、一転、色鮮やかに輝いた瞬間、スクリーンを見上げながら、そう確信した。

映画評論家 向後友惠こうごともえ

放送作家・映画評論家。イギリス(BFI)を拠点に初期映画史を研究。無声映画期に活躍した女性監督の業績を追う。著書に「銀幕の女性監督」「ライフストーリーD.W.グリフィス」「学校放送作り方・伝え方」等。

明日の神話

岡本太郎「明日の神話」と槙坪夛鶴子の出会い

平和をテーマにした映画の企画を立てはじめたとき、槙坪監督は岡本太郎さんの「明日の神話」を撮りたいと考えていました。

メキシコで発見されたこの作品が日本に渡り、長い修復作業を終え、一般公開されたのが2006年7月8日。場所は東京汐留。

車椅子で駆けつけ、初めて巨大な壁画を目の当たりにした槙坪監督がそのとき何を感じ、想っていたかはわかりません。

確かなのは、その日撮った写真を携帯の待ち受け画面にし、いつも眺めながら次の映画の構想を練っていたこと。

NPO法人明日の神話保全継承機構の協力によって、その夢がこうして実現したのです。

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