母のいる場所予告篇

夢物語のような「世界」の確かな感触を

誰もが憧れる理想郷ホーム

映画『母のいる場所』評論

映画『母のいる場所』は、二十一世紀の幕開けを、オプティミスティックなまでの希望で彩る、穏やかだが力強いメッセージを内包した作品である。

老人ホームという、ともすれば暗いイメージを抱きがちな場所で、明るく屈託のないお伽話のように展開する、年齢と経験を重ねた人々の夢のような日常……ここでは、その高齢者たちが誰よりも生き生きとして、命の輝きを放っている。

祖母や、曾祖母のいる場所である『母のいる場所』は、やがて、娘たちや孫たちにとっても理想郷ホームになって行くだろう。そんな途方もないユートピアを、槙坪夛鶴子監督は、いとも軽々と自然体のまま描き出す。一見、夢物語のように映る、画面に描き出された世界は、その答えを求めて奔走した人々によって作り上げられた、実在する「場所」なのである。

映画評論家 向後友惠こうごともえ

放送作家・映画評論家。イギリス(BFI)を拠点に初期映画史を研究。無声映画期に活躍した女性監督の業績を追う。著書に「銀幕の女性監督」「ライフストーリーD.W.グリフィス」「学校放送作り方・伝え方」等。

出演によせて

紺野美沙子さんメッセージ

老親の介護、子育て、仕事。

その全てと向き合い、前向きに自分の道を模索する主人公・泉は、私自身とも重なる部分が多々あります。

明るく懸命に今を生きる姿を感じて頂ければとても嬉しく思います。

撮影中は、パワフルな槙坪監督に励まされつつ、充実した日々でした。

人生最後まで何が起こるかわからない。希望を捨てちゃだめという高井ヘルパーのセリフが印象に残っています。

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